周防国岩国の錦帯橋

GWの真ん中に周防国岩国の錦帯橋に立ち寄りました。

天気に恵まれたこともあり、結構な人出です。

日本三名橋の一つに数えられる錦帯橋です。
木製のアーチ橋というのはおそらく世界的にも相当珍しいのではないかと思います。
そもそも昔のアーチ橋の設計思想は石材などのブロックをアーチ型に組み合わせて圧縮力でブロック間の力を伝達することによって、橋自体の自重や橋を通行する人や車の荷重を支える構造になっているので、比較的加工の容易な木材でアーチ構造を組むというのは発想としてなかなかないのかもしれません。

しかし、岩国藩は岩国城の足元を流れる錦川が大雨で増水し、岩国城と城下をつなぐ橋が流されたことから、大雨でも流されることのない構造の橋を模索し、辿り着いたのが中国杭州の西湖にかかる連続橋をヒントにした木製アーチ橋だったようです。

最初の完成は1673年(延宝1年)でぢたが、翌1674年の大雨で橋脚が損傷して流失したようです。

しかし、それを反省に、1674年に基礎の石積を補強するという改良を加えて再建した結果、それ以降、現在に至るまで、流出したことはないそうです。

アーチ構造を採用して橋桁と水面のクリアランスを確保するという発想、失敗を糧に工夫・改良を加えて、完成度を高めたことなど、見習うべきところがたくさんあると感じました。

さらには、美しさを兼ね備え、後世に誇れるものとなったというのは、技術者冥利に尽きるのではないでしょうか。

地図に残る仕事は時々ありますが、歴史に残る仕事というのは本当に難しいと思いますね。

コメント

  1. 司空自身より補足
    駐車料金は施設整備協力ということで200円。
    錦帯橋の通行料は、これも施設整備協力という意図で大人300円、子供150円でした。
    今時の観光地としては良心的価格だと思います。

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