栗林公園の松

松は日本人にとって特別な木です。
ー松竹梅。
華やかなのは、梅ですし、美味なのは竹ですが、それでも最上級は「松」です。
松は日本の農業にとって特別な意味があるということを、司馬遼太郎先生が書いていたような覚えがあります。
稲作農業は基本的に広大な平地に精密な灌漑施設を整備し、水田を作ります。農業としては、これで成立するのですが、日常生活はそれだけでは成立しません。
日常生活の必需品の一つに燃料に使用する薪があります。しかし、平野部には薪を供給できる樹林は少なく、集落の近傍にある小さな丘陵が僅かな薪の供給源になります。そこにはたくさんの人々が入り、木の枝や下草を丁寧に拾い、家に持ち帰っては燃料に使います。その長年の繰り返しは丘陵の山肌から腐葉土などの養分を取り去った。
その結果、養分を欲する広葉樹は小丘陵から消滅し、痩せた土地を好む松が生育した。
故に松は小丘陵周辺の集落の繁栄を言祝ぐ象徴となった。
しかも、松は一年を通して緑であり、何れの季節であっても、目出度さに変わりがない。
その目出度さと不変性故に、能舞台には松が描かれる。松は季節を問わず、演目にも左右されない。
取り留めのない話題でした。
栗林公園には多数の松が植えられている。よく人の手が加えられ、丁寧に手入れされた松である。
機会があれば、是非、御訪問下さい。

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